【専門分野】

高分子材料・炭素材料・分子磁性・機能性材料

【主な研究課題】

1.低誘電率・高撥水性・耐熱性高分子材料の開発/機能性高分子材料の開発

これまで、ナフタレンやピレンなどの縮合多環方香族化合物を1,4一ベンゼンジメ タノールのような連結剤と重縮合反応させることによって成形性・熱磯城特性に優 れ た 紡合多環多核芳香族(COPNA)樹脂を開発した。次の段階として、この高分 子に 例えばフッ素のような官能基を導入することで高撥水性の様な表面特性材料 の開発 を検討したい。
エレクトロルミネッセンス材料を高分子で発現させるという研究が盛んに行われてい る。我々は、上述した構造の高分子を用いて、ルミネッセンスを発現させようと考 え ている。特徴としてはドライヴィングソースとして、無限のエネルギー源である太陽 光 を考えている。

2.組織制御型炭素材料の開発

従来、炭素材料は有機物の熱分解の技術を持ってつくられていた。最近では炭素 の微細な組繊の電気化学的応用や表面特性ならびに生物親和性を利用した生物 活性化への応用などの研究が活発化し、改めて炭素材料の製造方法の見直しがさ れつつある。そこで、これまでの高分子材料の合成技術を生かして、炭素前駆体に 至るまでの組織制御を中心に新しい炭素材料を開発したい。

3.分子磁性体の合成

有機物では永久磁石は合成できないといわれていた常識はすでにこの数年間で覆 えされている。理論としては室温での有機磁性体の発現が予言されているにもかか わらず、現実の磁性発現温度は、1Kに満たない。そこで高スピン高分子を合成 して 常温で安定な磁性分子を実現することを目的としている。

【最近の著書・論文】

Nelio R. Vettorazzi, Leonides Sereno, Masaaki Katoh, Michiya Ota,and Luis Otero Correlation Between the Distribution of Oxide Functional Groups and Electrocatalytic Activity of Glassy Carbon Surface J. Electrochem. Soc., 155(5), pp. F110-F115 (2008).