白川英樹先生 講演会

2000年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生に、本校においでいただき学生向けにご講演いただくことが叶いました。今後の日本の科学技術を担わんとする本校の学生にとり、またとない機会となりました。お忙しい中ご来校いただきました白川先生には厚く御礼申し上げます。

ご講演概要

対象:本校の学生および教職員
日時:2009年10月28日(水)13:30 〜 14:30
会場:第一体育館
講演タイトル:
セレンデピティーを知っていますか
〜 電気を通すプラスチックを発見するまで 〜

化学の基礎知識の少ない低学年の学生にまで、とてもわかりやすくお話をいただきました。また、ノーベル賞の受賞講演の際、選考委員長より白川先生ら受賞者がセレンディップの3王子にたとえられたお話から、研究において予想外の結果も失敗や誤りとして切り捨てるのではなく、よく観察し、知恵をもって新しい発見につなげることができるのだということを説いてくださいました。パスツールの "Dans les champs de l'observation, le hasard ne favorise que les esprits préparés."("In the fields of observation, chance favors only the prepared mind.")を引いて、「やってくる偶然」と「迎えに行く偶然」があり、ただ受身でいるのではなく童心をもって積極的にさまざまなことにアンテナを張って受け入れる準備をととのえていなければ、この「偶然」を迎えにいけないというお話は、本校の学生のように科学技術を旨とする者にとって、また、その学生とともにある教員にとっても、とても重い意味を持つものと思われます。
また、ご講演のあとの学生からの質問にも、とても丁寧にお答えいただきました。このような機会をいただきましたことは大変嬉しいことです。また、講演会の終了後、学生有志との懇談会にもおいでいただき、非常に近い距離で学生の率直な質問にもお答えいただき、研究をすることとはどういうことなのか心構えを教えていただくことができました。

(写真)
上2枚:体育館で白川先生を待つ学生たち、白川先生ご講演の様子
下2枚:有志学生との懇談会
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白川英樹先生のプロフィール

1961年 東京工業大学理工学部化学工学科(現・工学部化学工学科)卒業
1966年 同大学大学院理工学部研究科博士課程化学工学専攻科修了、同大学資源化学研究所助手
1976年 米国ペンシルベニア大学博士研究員
1979年 筑波大学助教授
1982年 同大学教授
1991年 同大学大学院理工学研究科長(-1993年3月)
1994年 同大学第三学群長(-1997年3月)
2000年 ノーベル化学賞受賞「導電性ポリマーの発見と開発」
     文化功労者 文化勲章受章 、筑波大学名誉教授
2001年 日本学士院会員

関連ウェブページ

筑波大学 大学案内 より http://www.tsukuba.ac.jp/about/nobel/shirakawa.html
国立科学博物館 ノーベル章日本人受賞者7人の偉業 より http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/tour/nobel/shirakawa/p1.html

更新履歴
2009.10.16 ページ作成。
2009.10.28 特別講演会実施。写真等掲載。